2021年09月28日

岸田文雄候補特番

岸田文雄さんの特番はまだ一本だけだけど、二本めは出ないまま、投票になってしまいそうな気配が漂っている。

YouTube「自民党」チャンネルより
【総裁選CafeSta】岸田文雄候補特番#01 岸田BOXに答える(2021.9.21)

宏池会の流れをくむ派閥の領袖として、久しぶりの自民党総裁の地位をとりにいく岸田さんだが、不安定感がぬぐえない。
ひとつは経済政策、もうひとつは外交政策。
経済政策については、宏池会の伝統ではあるが財政規律を重視する立場から、コロナ対策のための財政出動さえも条件つきとなっている。
そのうえ近い将来の増税をにおわせる言葉もあるなか、このところ急に立場が変わってきているように見える。
外交政策でも同じことがいえて、中国に対して友好的融和的な姿勢が基本にありながら、そのなかにかなり対中強硬ともいえる発言を織り交ぜてきている感じがある。
これが岸田さんのほんとうに向かいたい方向であれば、それはそれでバランスのとれた政策を実現できる可能性はある。
しかしながら、ぼくにはこれは単なるポジションの問題で、保守からリベラルまで立場が広く分かれるなかで、保守寄りの立ち位置をとっておくための作戦だとしか見えない。
それがいつの間にか四候補の議論の幅の真ん中に位置することになっている、という意味では、悪い作戦ではないと思う。
しかし、高市さんの勢いに引きずられて都合のいい場所におさまっただけであれば、けっきょくその主張は芯のないものになってしまうだろう。
posted by hatakazu at 20:33| Comment(1) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月27日

河野太郎候補特番

河野太郎さんの特番、二本めはすごく短いけど、とりあえず二本出てきた。

YouTube「自民党」チャンネルより
【総裁選CafeSta】河野太郎候補特番#01 河野太郎がご批判に正面から答えます(2021.9.26)
【総裁選CafeSta】河野太郎候補特番#02 河野太郎の素顔に迫る(2021.9.27)

高市さんが保守の、野田さんがリベラルの旗を鮮明にするなか、河野さんと岸田さんはそのあいだでいまひとつ立ち位置がはっきりしないように見える。
岸田さんはかなり高市さんの政策に寄せてきているが、財政を重視するもともとの立場とどうすりあわせていくのか未知数だし、河野さんは改革をかかげつつもなにをやるつもりか判然とせず、むしろリベラル色をはっきりと打ち出す野田さんのほうが伝わってくるものがある。
とくに野田さんについては、ある意味で自民党総裁選挙の論戦の幅を広げているところがあり、それがまた立憲民主党の主張を薄めるいい仕事にもなっている。
ぼくは野田さんの主張に共感する部分は少ないのだが、念願の総裁選挙出馬を果たしたうえで、独自の存在感を発揮してきた部分については評価に値すると思っている。
posted by hatakazu at 21:21| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月25日

野田聖子候補特番

高市早苗さんにつづき、野田聖子さんの特番二回ぶんが出そろった。

YouTube「自民党」チャンネルより
【総裁選CafeSta】野田聖子候補特番#01 総裁選の裏側(2021.9.23)
【総裁選CafeSta】野田聖子候補特番#02 こどもまんなか政治(2021.9.25)

ついでに、堀江貴文さんとのライブ配信もあったので、いっしょに掲載しておく。

YouTube「ホリエモン」チャンネルより
総裁選出馬の野田聖子さんとホリエモンが対談!特別生配信

正直なところ、野田さんをすこし見直している。
政策が煮詰まってないのは隠しようがないが、それでも野田さんらしいリベラルな方向性が、明確なメッセージ性をもって語られている。
なにをやりたいのかはっきりしているという意味では、ふたりの男性候補よりはるかに伝わってくるものがあるし、なにを考えていてなにを考えてないのかもわかりやすい。
やっぱり伝えかたって大切だな。
posted by hatakazu at 17:13| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月22日

高市早苗候補特番

自民党総裁選挙の動きのなかで徐々に存在感を高めてきた高市早苗さんが、櫻井よしこさんという最高のパートナーを得て、国家観、皇統、エネルギー政策、災害対策、国防、安全保障、経済政策、米中関係における日本の立ち位置を語り尽くした。
櫻井よしこさんの教養と見識に裏打ちされた道案内は見事だったが、視聴者目線を意識して高市さんの魅力的な人柄と人間的な側面にも光をあて、親しみやすい高市像をアピールすることにも配慮されていた。

YouTube「自民党」チャンネルより
【総裁選CafeSta】高市早苗候補特番#01 世界が注目!「第100代 日本初の女性総理誕生?」(2021.9.18)
【総裁選CafeSta】高市早苗候補特番#02 根掘り葉掘り!高市早苗候補の素顔に迫る!(2021.9.19)

高い視点から大きな方向性が示されたうえで、それを座標軸として個々の政策の意味がわかりやすく語られており、この国を導くリーダーを選ぶための判断材料として非常に役立つたしかな資料となっている。
日本国とはなにか、日本人とはなにか、日本の文化文明とはなにか、日本が守るべき価値観とはなにか。
日本の将来を考えるうえで絶対に踏まえておかなければならない、きわめて基本的な論点に臆せず踏み込んでいったからこそ、高市さんの政治姿勢がくっきりと浮かびあがったといえるだろう。
候補者どうしの討論もいいけれど、今回のような形式のほうが、各候補者の根っこの部分が可視化されやすいのかもしれない。
その意味で、討論会などではほとんど基本スタンスがはっきりしないほかの候補者についても、おなじような企画があれば理解を深めることができるかもしれないとは思っている。
posted by hatakazu at 22:19| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月21日

自民党総裁選候補者討論会に期待すること

9月20日、自民党の青年局および女性局の主催で、総裁選挙候補者討論会が開催された。

【自民党総裁選】党青年局・女性局主催 公開討論会(2021.9.20)

自民党というひとつの政党のなかでの指導者選びであり、候補者がそれぞれに他候補の主張の優位点を消すべく発言をすりあわせていくところもあるので、候補者間で主張の差異がきわだつというよりは、ぼんやりと収斂していくように見えるのはしかたがない。
そんななかでも基本的な国家観、この国の目指すところはどこなのか、それを自分の言葉でしっかり語っていたのは高市さんだけだった。
自民党の総裁を選ぶということは、これから日本を動かしていく国家のリーダーを選ぶということだ。
それぞれの候補者はまずこの国のあるべき姿を語り、そこへむけてなにをしていくのかを語り、それによって日本という国がどこへ向かうのか、その将来像を明確に提示するべきだろう。
そうした全体像のもとではじめて個別の政策のありかたや優先順位が決まってくるわけなので、それなしに一つひとつの論点についての見解を開陳されても、それを判断材料として候補者を評価するのはむずかしい。
家を建てるのに全体的な設計図がないまま、この窓があったほうがいいかないほうがいいか、台所はこっちがいいかあっちがいいか、と聞かれても答えようがないようなものだろう。
これから9月29日の投開票まで、候補者どうしの討論を含む露出はどんどん増えていく。
一度は大枠の国家観を戦わせて、それぞれの候補者に託したら日本の将来がどうなるのか、具体的なイメージを結ばせるような論戦を期待したい。
posted by hatakazu at 21:59| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月18日

自民党総裁選の候補者討論会

告示直前に野田聖子幹事長代行が出馬を表明、四候補者の戦いという構図が確定した自民党総裁選挙。
さっそく候補者全員を集めて、日本記者クラブ主催の公開討論会がおこなわれた。

【LIVE】自民党総裁選 4候補が討論会

率直な印象として、野田さんは政策がしっかり煮詰まっておらず、出遅れ感は否めなかった。
河野さんと岸田さんは、それなりに政策を語っていたけれど、基本的な方向性を意図的にあいまいにしていたように見えた。
河野さんの年金改革案がひとつの焦点になったが、やはり財源をどうするのかはっきり打ち出せないのでは、この国の将来像を明確に提示したとはいえないだろう。
こうした一つひとつの政策論では高市さんがたしかな存在感を示していたが、それにしてもこの討論会が全体的に、木を見て森を見ず的な議論に終始することになったのは残念だった。
これからの自民党の、そして日本の舵取りを担おうかという、そういう場所に立つ四人による討論だ。
やはりこの国をどう動かしていくのか、どこを目指してすすんでいくのか、その大きな枠組みを語ってほしかった。
それに照らしてはじめて個々の政策の評価も可能となるのだが、基本となるその座標軸が見えないまま、終わってしまったような印象だった。
次の機会に期待したい。
posted by hatakazu at 18:10| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月12日

高市早苗さんの発言を正しく理解しよう

高市早苗さんの出馬表明会見のなかで不安を感じたいくつかの論点、福島原発の処理水放出の件、消費税に対する考えかたや金融所得への課税強化、夫婦別姓問題などについて、高市さん自身がいろいろな場所でていねいな説明を積み重ねている。

2021年9月10日(金)コメンテーター飯田泰之 高市早苗前総務大臣(電話生出演)【飯田浩司のOK! Cozy up!】
『高市早苗さんを総理にする緊急特番』ゲスト:高市早苗衆議院議員、飯山陽【有本香&百田尚樹 合同番組】

たとえば金融所得への課税強化については、なにがあっても既定路線として増税をすすめていくということではまったくなく、プライマリバランスを凍結して物価安定目標二パーセントを達成することが最優先、そのなかで財政への目配りが不可欠となった場合のオプションとして想定しているという意味であるということ。
こうした部分は、高市さんが考える日本経済の方向性を見定めるうえで、正しく理解しておく必要があると思う。
posted by hatakazu at 07:59| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月09日

高市早苗さんが出馬表明会見で語ったことの真意

高市早苗さんの昨日の会見のなかで、いくつかわかりにくい部分があった。
そのうちのひとつが、福島原発の処理水放出の件だ。
高市さんは今朝の虎ノ門ニュースに出演、そのなかでジャーナリストの有本香さんの問いに答えるかたちで、昨日の発言の趣旨をあらためて説明していた。

【DHC】2021/9/9(木) 有本香×竹田恒泰×高市早苗×田北真樹子【虎ノ門ニュース】

すでに二年後からの開始が決まっている処理水放出について、その決定を再検討する必要があるかのように聞こえた部分があったのだが、まったくそういうことではなかった。
基本的な論点は処理水放出を開始するまえにやることがあるというところで、ひとつは風評被害払拭のための外国への働きかけを強化すること、もうひとつは処理水の発生量を削減できる方策をさらに導入していくこと。
このあたり、時間があれば言葉を尽くして正しく伝えていくこともできるけど、限られた時間のなかで語ろうとすると誤解されてしまう部分もある。
発言する場所と時間に応じて、その場での発言がどう聞こえるかどう捉えられるかという観点から、うまくコントロールして正しくメッセージが伝わるようにしていってほしい。
posted by hatakazu at 21:02| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする

2021年09月08日

高市早苗さんの自民党総裁選挙出馬表明会見をみて

高市早苗前総務相が9月8日(水)午後、自民党総裁選挙への出馬を正式表明する会見をおこなった。

【LIVE】高市早苗前総務相 自民党総裁選出馬会見

決意に満ちた顔をあげ、力強い視線を会場へ送りつつ、「日本を守る責任」と「未来を拓く覚悟」とをもって自民党総裁選挙に立候補することを高らかに宣言した。
そのあとは、おそらく全国的に知名度が低いことを念頭において、自分がなにを考えていてなにをやりたいのかを語りたかったのだろう、幅広い分野にわたって政策の方向性を示し、ときにはその詳細にまで踏みこんで説明しきった。
物価安定目標二パーセントを達成するまではプライマリバランスを凍結するという、大胆な論点をふくむ日本経済強靭化計画。
分厚い中間層の再構築を目指す危機管理投資、成長投資の取り組み。
国民の生命と財産、国土と資源、国家の主権と名誉を守り抜く安全保障のありかた。
すばらしかった。
揺るぎのない国家観と豊富な勉強量に裏打ちされた、高市さんの考えるこの国の将来像、そこへむかう道筋が高市さんじしんの言葉で、そして自信に満ちた声にのって伝わってきた。
質疑応答もよかったと思う。
しっかりと質問者を見すえ、はぐらかすことなく論点をとらえ、的確な表現で納得のいく回答を与えていた。
しかし、現時点で踏みこみすぎないほうがいいこともある、と感じられたところもあった。
福島原発の処理水放出の件、消費税に対する考えかたや金融所得への課税強化、夫婦別姓問題、など。
いまは幅広い層へ訴求して世論を集約することが大切な時期。
政治家のひととなりは個々の政策の細部にこそ宿るとは思う、しかしいまは小異を捨てて大同につくことのできるよう、あえて大きな像だけを語りつづけるべきではなかろうか。
posted by hatakazu at 21:07| Comment(0) | 政治とか経済とか | 更新情報をチェックする