2018年07月15日

「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」に「CUDA 8.0」+「cuDNN 6.0」をインストールする

Ubuntu18.04上で「CUDA 8.0」+「cuDNN 6.0」環境が必要になった場合、Ubuntu16.04用インストールファイルをそのまま使うことはできません。
Ubuntu16.04用のdebファイルもrunファイルも、Ubuntu18.04上ではエラーをともない、インストールを完了することはできないからです。
しかし、Ubuntu16.04用のdebファイルもしくはrunファイルを解凍し、抽出したファイルを手動で配置してやることで、Ubuntu18.04上に「CUDA 8.0」+「cuDNN 6.0」環境を導入することは可能です。

1. コンパイラ設定
Ubuntu18.04では「gcc-7」が標準ですが、「CUDA 8.0」は「gcc-7」と互換性がなく、コンパイル作業には「gcc-5」以下が必要です。
そのため、「gcc-5」「g++-5」をインストールのうえ「update-alternatives」コマンドを使って「gcc-7」「g++-7」より優先順位をあげて、一時的に自動モードで「gcc-5」「g++-5」が使われるように設定します。

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-7 70
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-7 70

$ sudo apt-get install gcc-5 g++-5

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-5 80
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-5 80


ただし、「CUDA」を使う作業が終わったら「gcc-5」「g++-5」の優先順位をさげて、自動モードでシステム標準の「gcc-7」「g++-7」が使われるように設定をもどしておきます。

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-5 50
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-5 50


GPU版「TensorFlow」をソースからインストールする場合、GPU版「PyTorch」をソースからインストールする場合、「gcc-4.8」が必要になるようです。
そうしたケースでは、「gcc-4.8」「g++-4.8」をインストールのうえ「update-alternatives」コマンドを使って優先順位をあげて、一時的に自動モードで「gcc-4.8」「g++-4.8」が使われるように設定します。

$ sudo apt-get install gcc-4.8 g++-4.8

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-4.8 90
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-4.8 90


おなじく、インストール作業が終わったら「gcc-4.8」「g++-4.8」の優先順位をさげて、自動モードでシステム標準の「gcc-7」「g++-7」が使われるように設定をもどしておきます。

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-4.8 48
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-4.8 48


2. 「CUDA 8.0」インストール

CUDA Toolkit 8.0 - Feb 2017」ページで「Linux」「x86_64」「Ubuntu」「16.04」「runfile (local)」を選択し、「Download Installers for Linux Ubuntu 16.04 x86_64」タブを開きます。
そこの表示にしたがって、「Base Installer」の「ダウンロード」ボタンをクリックして「cuda_8.0.61_375.26_linux.run」を、「Patch 2 (Released Jun 26, 2017)」の「ダウンロード」ボタンをクリックして「cuda_8.0.61.2_linux.run」をダウンロードします。
まずは、ベースインストーラのrunファイルを解凍し、ツールキット、サンプル、ドライバそれぞれのrunファイルをえます。

$ chmod +x cuda_8.0.61_375.26_linux.run
$ ./cuda_8.0.61_375.26_linux.run --extract=absolute_pass_to_the_target_directory
$ cd absolute_pass_to_the_target_directory
$ ls
cuda-linux64-rel-8.0.61-21551265.run
cuda-samples-linux-8.0.61-21551265.run
NVIDIA-Linux-x86_64-375.26.run


必要なファイルを取りだすため、さらにそれぞれのファイルを解凍し、ツールキットを「/usr/local/cuda-8.0」ディレクトリへ配置、サンプルを「~/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples」ディレクトリへ配置します。

$ sudo move cuda-linux64-rel-8.0.61-21551265.run /usr/local/cuda-8.0
$ sudo /usr/local/cuda-8.0/cuda-linux64-rel-8.0.61-21551265.run --tar mxvf # ツールキットファイルを「/usr/local/cuda-8.0」に展開。
$ mv cuda-samples-linux-8.0.61-21551265.run /home/username/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples
$ ~/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples/cuda-samples-linux-8.0.61-21551265.run --tar mxvf # サンプルファイルを「~/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples」に展開。
$ ./NVIDIA-Linux-x86_64-375.26.run -x #ドライバファイル抽出。今回は不要。


ここまでの作業が完了したら、以下のコマンドを実行して、「/usr/local/cuda」からリンクをはっておきます。

$ sudo ln -s /usr/local/cuda-8.0 /usr/local/cuda


そして、「~/.bashrc」に以下二行を追加して、パスをとおしておきます。

export PATH=/usr/local/cuda-8.0/bin${PATH:+:${PATH}}
export LD_LIBRARY_PATH=/usr/local/cuda-8.0/lib64:${LD_LIBRARY_PATH:+:${LD_LIBRARY_PATH}}


いくつかライブラリがたりない(「libGLU.so」「libX11.so」「libXi.so」「libXmu.so」「libGL.so」など)ので、必要な場合はあとで該当パッケージをインストールし、パスのとおった「/usr/lib」からライブラリファイルへシンボリックリンクをはっておけば問題ありません。

$ sudo apt-get install g++ freeglut3-dev build-essential libx11-dev libxmu-dev libxi-dev libglu1-mesa libglu1-mesa-dev


つづいて「CUDA 8.0」パッチファイルも解凍し、取りだしたファイルを「/usr/local/cuda-8.0」ディレクトリの該当場所へ移動します。

$ chmod +x cuda_8.0.61.2_linux.run
$ ./cuda_8.0.61.2_linux.run --tar mxvf
$ sudo cp payload/cuda-linux64-mixed-rel-nightly/lib64/libcublan* /usr/local/cuda-8.0/lib64
$ sudo cp payload/cuda-linux64-mixed-rel-nightly/lib64/libnvblas* /usr/local/cuda-8.0/lib64


以下のコマンドを実行して、インストールした「CUDA 8.0」のバージョンが正しく表示されることを確認します。

$ nvcc --version
nvcc: NVIDIA (R) Cuda compiler driver
Copyright (c) 2005-2016 NVIDIA Corporation
Built on Tue_Jan_10_13:22:03_CST_2017
Cuda compilation tools, release 8.0, V8.0.61


問題なければ、サンプルのビルドを実行します。
自動モードで「gcc-5」を使うよう、「update-alternatives」コマンドを使って、「gcc-5」「g++5」の優先順位をあげておきます。

$ cd ~/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples
$ cd make


ビルド処理が終わったら、「~/NVIDIA_CUDA-8.0_Samples/bin」以下に「deviceQuery」が生成するので、それを実行してみます。
デバイスが検出され、「Result = PASS」と表示されていれば、インストールは正常に完了しています。

*****参考:必要なファイルをdebian packageから取りだす場合*****
dpkg-deb -x cuda-repo-ubuntu1604-8-0-local-ga2_8.0.61-1_amd64.deb output_dir


2. 「cuDNN 6.0 for CUDA 8.0」インストール

cuDNN Archive」ページから「Download cuDNN v6.0 (April 27, 2017), for CUDA 8.0」をクリックし、開いたタブのなかの「cuDNN v6.0 Library for Linux」をクリックして「cudnn-8.0-linux-x64-v6.0.tgz」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍のうえ、それぞれ適切な場所へ配置、読み込み権限をあたえておきます。

$ tar zxvf cudnn-8.0-linux-x64-v6.0.tgz
cuda/include/cudnn.h
cuda/lib64/libcudnn.so
cuda/lib64/libcudnn.so.6
cuda/lib64/libcudnn.so.6.0.21
cuda/lib64/libcudnn_static.a
$ sudo cp cuda/include/cudnn.h /usr/local/cuda-8.0/include
$ sudo cp cuda/lib64/libcudnn* /usr/local/cuda-8.0/lib64
$ sudo chmod a+r /usr/local/cuda-8.0/include/cudnn.h /usr/local/cuda-8.0/lib64/libcudnn*


以下のような指示がありますが、今回は「CUDA 8.0」とおなじディレクトリにインストールしたので、すでにパスはとおっています。
べつの場所にインストールした場合は、「cdDNN 6.0」ライブラリを設置したディレクトリへ、あらためてパスをとおしておく必要があります。

LINUX
cd /lib
export LD_LIBRARY_PATH=`pwd`:$LD_LIBRARY_PATH
Add to your build and link process by adding -I/include to your compile line and -L/lib -lcudnn to your link line.


「cuDNN」ライブラリの配置が完了したら、以下のコマンドで正しく配置されているかどうか確認します。

$ cat /usr/local/cuda/include/cudnn.h | grep CUDNN_MAJOR -A 2
#define CUDNN_MAJOR 6
#define CUDNN_MINOR 0
#define CUDNN_PATCHLEVEL 21
--
#define CUDNN_VERSION (CUDNN_MAJOR * 1000 + CUDNN_MINOR * 100 + CUDNN_PATCHLEVEL)

#include "driver_types.h"


インストールしたバージョンが正しく表示されれば、問題ありません。
最後に、debian packageからサンプルを抽出、ビルドしてみます。
自動モードで「gcc-5」を使うよう、「update-alternatives」コマンドを使って、「gcc-5」「g++5」の優先順位をあげておきます。
ビルド処理が終わったら、「~/cudnn_samples_v6/mnistCUDNN」以下に「mnistCUDNN」が生成するので、それを実行してみます。
「Test passed!」と表示が出れば、「cuDNN 6.0」のインストール作業は完了しています。

$ dpkg-deb -x libcudnn6-doc_6.0.21-1+cuda8.0_amd64.deb ./
$ cp -r usr/src/cudnn_samples_v6/ ~/
$ cd ~/cudnn_samples_v6/mnistCUDNN
$ make clean && make
$ ./mnistCUDNN
...
Test passed!



参考ウェブページ一覧表(順不同)

https://devtalk.nvidia.com/default/topic/1032269/cuda-9-gcc-7-compatibility-with-nvcc/
https://medium.com/@Inoryy/compiling-pytorch-4-0-on-ubuntu-17-10-with-cuda-9-0-and-python-3-6-6769a0df56d5
https://github.com/nathtest/Tutorial-Ubuntu-18.04-Install-Nvidia-driver-and-CUDA-and-CUDNN-and-build-Tensorflow-for-gpu
https://stackoverflow.com/questions/50213089/linking-error-with-gcc-g-7-3-0-on-ubuntu-18-04/50232797
posted by hatakazu at 15:28| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」インストール後の環境整備

「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」をインストールしたあと、hatakazuの使用形態にあわせて環境をととのえた部分を、以下に列挙しておきます。

1. 時刻設定
Windows10とのデュアルブート環境では、標準ではUCTとなるUbuntu18.04の時計を、Windows10とおなじ現地時間に設定する必要があります。
UCTのままだと、Windows10とUbuntu18.04をいったりきたりするたびに、時計がどんどんずれていってしまうからです。
以下のコマンドを実行することで、「/etc/adjtime」が作成されて、Ubuntu18.04を現地時間で動かすことができます。
UCTにもどすときは、最後の「1」を「0」にして、おなじコマンドを実行すればO.K.です。

$ sudo timedatectl set-local-rtc 1


2. ターミナル
「Ctrl」+「Alt」+「T」で端末が開くので、ランチャにあらわれたアイコンを右クリックして、ランチャに固定しておきます。

3. 日本語まわりの設定
「Mozc」がインストールされてなければインストールし、入力メソッドを「Mozc」に設定します。

$ sudo apt install ibus-mozc


4. スーパーユーザのパスワード設定
以下のコマンドを実行し、必要になる場合にそなえて、あらかじめスーパーユーザのパスワードを設定しておきます。

$ sudo passwd root


5. 設定画面
dock位置変更、アイコンサイズ変更、タッチパッドのエッジスクロール有効化、など必要におうじて。

6. Javaランタイムのインストール
せっかくなので、ランタイムをふくむ「Java Development Kit」をまるごとインストールしておきます。
Java SE Development Kit 8 Downloads」ページから「jdk-8u171-linux-x64.tar.gz」をダウンロード、解凍して「/usr/lib/jdk1.8.0_171」に設置します。

$ tar xzvf jdk-8u171-linux-x64.tar.gz
$ sudo cp -r jdk1.8.0_171 /usr/lib


そのあと、エディタで「~/.bashrc」に以下二行を追記して、パスをとおしておきます。

export JAVA_HOME=/usr/lib/jdk1.8.0_171/
export PATH=$PATH:$JAVA_HOME/bin


「$ java -version」コマンドを実行して、バージョン情報が正しく表示されれば、パスの設定はO.K.です。

7. 「google-chrome-stable」インストール
パソコン版Chrome」サイトで「Chromeをダウンロード」ボタンを押し、「64 bit .deb (Debian / Ubuntu 版)」を選択してから、「同意してインストール」ボタンを押します。
「google-chrome-stable_current_amd64.deb」ファイルをダウンロードしたら、ダウンロードしたフォルダへ移動して、以下のコマンドを入力してインストールします。
ターミナルから「google-chrome-stable」コマンドで起動できるようになるので、ランチャにあらわれたアイコンを右クリックして、ランチャに固定しておきます。

$ sudo apt install ./google-chrome-stable_current_amd64.deb


--別法--
$ sudo sh -c 'echo "deb http://dl.google.com/linux/chrome/deb/ stable main" >> /etc/apt/sources.list.d/google.list'
$ sudo wget -q -O - https://dl-ssl.google.com/linux/linux_signing_key.pub | sudo apt-key add -
$ sudo apt update
$ sudo apt install google-chrome-stable

--

「google-chrome-stable」を起動したときに、「NSS」の更新を要求するエラーメッセージが出た場合、要求されたパッケージをインストールすれば起動できるようになります。

$ sudo apt install libnss3


8. 「exfat」フォーマット対応
exfat形式のデバイス(SDカードなど)をあつかえるよう、必要なパッケージをインストールしておきます。

$ sudo apt install exfat-fuse exfat-utils


たとえばSDカードのデバイス名が「/dev/sd」だとしたら、「mkfs.exfat /dev/sd」コマンドで、SDカードをexfat形式でフォーマットできるようになります。

9. 「MTP」対応
Android端末とのMTP接続には、MTP関連のファイルをまとめてインストールします。

$ sudo apt install mtpfs mtp-tools gmtp


10. 「7z」対応
このごろサイズの大きいファイルを配布するのに、「7z」形式が増えてきているので、それに対応する「p7zip」パッケージをインストールします。
これにより、「$ p7zip -d xxxxx.7z」コマンドで「7z」形式のファイルを解凍できるようになります。

$ sudo apt install p7zip p7zip-full


11. パッケージ管理ソフト「synaptic」
以下のコマンドでインストール、「$ synaptic」コマンドで起動して、これもランチャに固定しておきます。

$ sudo apt install synaptic


12. 音楽管理ソフト「gtkpod」
初代iPod Shuffleに音楽ファイルを転送するため、「gtkpod」をインストールします。

$ sudo apt install gtkpod


初代iPod Shuffleが自動的に認識されないときは、「synaptic」を起動して、初代iPod Shuffleの認識を妨げている「libgpod-common」を削除してやればO.K.です。
iPodが認識されているのに「gtkpod」にロードできない場合は、一度iPod内のファイルをすべて削除してから「gtkpod」へつなぎ、「Tools」 -> 「Create iPod's Directories...」でiPod内のディレクトリを再構築する必要があるかもしれません。
posted by hatakazu at 21:58| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年06月27日

「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」のインストール、Windows10とのデュアルブート化

1. 基本的なOS構成設計
Inspiron14はWindows10プリインストールモデル、記憶領域は「SSD 128GB」+「HDD 1TB」で、最初は以下のようなかたちになっています。

「SSD 128GB」:起動ディスク、Windows Boot Manager -> Windows10起動。
「HDD 1TB」:データ領域。

今回は、「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」をインストールして、「Windows10 Home 64bit」とのデュアルブート環境を構築します。
hatakazuは自宅では基本的にLinuxしか使わないので、デフォルトでUbuntu18.04が立ちあがるかたちにしておき、必要なときだけWindows10を起動できればO.K.です。
そのため、以下のような設計としました。

「SSD 128GB」:Windows Boot Manager -> Windows10起動。
「HDD 1TB」:起動ディスク、GRUB -> Ubuntu18.04起動。Windows10と共有するデータ領域。

GRUB画面でWindows Boot Managerを呼びだすことができるので、Windows10が必要な場合はそこから起動、通常は「Enter」キー押下によって(もしくは一定時間経過後に自動的に)Ubuntu18.04が立ちあがる仕様です。
この設計にしたおおきな理由は、「HDD 1TB」のUbuntu18.04環境が「SSD 128GB」のWindows10環境に依存してないため、Ubuntu18.04がわの設定変更やOS再インストールなどのさいにWindows10がわからなんの制約も受けないことです。
場合によっては、「HDD 1TB」を取りはずしたり交換したりしても、Windows10はまったく問題なく起動するわけです。
その意味で、非常に自由度が高く、hatakazuのようにいろいろ遊んでみたいひとにとっては最適なデュアルブート構成になっていると思います。

2. 「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」インストール用USBメモリの作成
Ubuntu Japanese Team」サイトから、最新の長期サポート版日本語対応バージョン「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」のイメージファイル「ubuntu-ja-18.04-desktop-amd64.iso」を取得します。
イメージファイルをダウンロードしたディレクトリへ移動して、USBメモリを挿入したあと、以下のコマンドでUSBメモリのデバイス名を確認します。

$ sudo fdisk -l


ハードディスク一台の構成であれば、USBメモリは「/dev/sdb」などに割りあてられていることが多いと思います。
USBメモリに余計なパーティションが設定してあると、インストールイメージを書きこむさいに失敗することがあるので、あらかじめパーティション構成を確認しておきます。

$ sudo fdisk /dev/sdb


「d」コマンドで既存パーティションを削除、「n」コマンドで新規パーティションを作成、USBメモリ全体をひとつの基本パーティションにしておきます。
イメージを書きこむためにはddコマンドを使用しますが、「if」オプションで対象となるイメージファイルを、「of」オプションで書きこみ先のデバイスを指定します。

$ sudo dd if=./ubuntu-ja-18.04-desktop-amd64.iso of=/dev/sdb


これで「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」インストール用USBメモリができました。

3. 「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」インストール
USBメモリを挿入のうえInspironの電源を入れ、「F12」を押下してBoot Menu画面を開き、挿入したUSBメモリからブートします。
表示されるGRUB画面で「Try Ubuntu without installing」オプションを選択、デスクトップが表示されるところまでいけば、Ubuntu18.04がこのコンピュータ上で問題なく動作することが確認できたということです。
デスクトップ上にある「Ubuntu 18.04 のインストール」アイコンをダブルクリックして、インストールを開始します。
インストール手順は、たいていのLinuxディストリビューションでだいたいおなじような流れになっていますが、Ubuntu18.04の場合はとくにかんたんです。
ただし、Windows10とのデュアルブートにする場合は、「インストールの種類」画面ですこし気をつけないといけません。
「それ以外」ボタンにチェックをいれて「続ける」をクリック、パーティション設定画面へすすみます。
Ubuntu18.04をインストールする領域として「HDD 1TB」上におよそ300GBを確保したので、そのうち15GBていどを「swap area」に、残りをすべて「/」に割り当てることにします。
そしてブートローダは「HDD 1TB」のMBRにインストール、Setup Utilityで優先起動ドライブに設定して最初にGRUBが起動するようにし、必要なときだけGRUBからWindows Boot Managerを選択して「SSD 128GB」のWindows10を起動する設計でした。
そのため、「インストールの種類」画面では、最終的に以下のようなパーティション構成になります。

/dev/sda1 ntfs 650GBくらい(Ubuntu18.04とWindows10で共有するデータ領域)
/dev/sda2 ext4 / 280GBくらい
/dev/sda3 swap 15GBくらい

ブートローダをインストールするデバイス
/dev/sda


Windows10がプリインストールされている「SSD 128GB」は、「/dev/sdc」として認識されていますが、これにはまったくさわらずそのままにしておきます。
「インストール」をクリックすると、タイムゾーンやキーボードやユーザの設定をへて、インストールがはじまります。
インストールが終わったら、インストールメディアを抜いてから再起動するように指示されるので、UBSメモリを取りはずしてから「Enter」キーを押下してコンピュータをリブートさせます。
起動時に「F2」キーを押してSetup Utility画面を開き、「HDD 1TB」を優先起動するよう指定します。
それによってまずGRUB画面が開くようになるので、GRUB画面でUbuntu18.04(デフォルト)とWindows10(Windows Boot Managerを指定)を選択起動できる、設計どおりの仕様を実現したことになります。
Ubuntu18.04を起動、オープニング画面で登録したユーザを選んで設定したパスワードを入力すれば、Ubuntu18.04のデスクトップがあらわれるはずです。
posted by hatakazu at 21:13| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年06月26日

「Dell Inspiron 14」の設定、Linuxインストールのための準備など

1. 「Dell Inspiron 14」の仕様とOS構成
今後紹介していく予定のアプリケーションのインストール方法や使いかたなどは、とくに断らないかぎりこの環境が前提となっており、「Windows編」は「Windows10 Home 64bit」上での、「Ubuntu編」は「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」上での記述となります。

--
Dell ノートパソコン Inspiron 14 7472 Core i7モデル ピンク 18Q42P/Windows10/14インチFHD/8GB/128GB SSD+1TB HDD

製品紹介:通常より1サイズ小さい本体外寸を実現した14インチモバイルノート
OS1:Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix on 1TB HDD
OS2:Windows10 Home 64bit on 128GB SSD
画面サイズ:14インチ IPS フルHD光沢
重量:1.65kg
バッテリー駆動時間:約9時間
CPU:インテル Core i7-8550U (4Mキャッシュ、最大4.0GHz)
GPU:NVIDIA GeForce MX150 GDDR5 2GB
メモリー:8GB DDR4 2400MHz(最大16GB)
保存装置:128GB SSD + 1TB 5400rpm HDD
接続方法:USB2.0x1、USB3.0x2、HDMI1.4ax1、GbitLANx1
接続方法:SDカードリーダ、ヘッドホンジャック、Webカメラ・マイク、ノーブルロックポート
無線LAN:802.11ac デュアルバンド+ Bluetooth 4.1
--

2. 回復ドライブの作成
なにはともあれ安全第一、さまざまなトラブルにそなえて、Windows10の回復ドライブをつくっておきます。
「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「回復ドライブの作成」とすすみます。
将来的にWindows10を消去してLinux一本で使うことにした場合、Windows10をゼロから再インストールする必要にせまられることも考えられるため、「システムファイルを回復ドライブにバックアップする」オプションにチェックをいれます。
hatakazuの環境では、「システムファイルを回復ドライブにバックアップする」にチェックをいれて回復ドライブを作成した場合、16GB以上のUSBメモリを要求されました。

3. 「高速スタートアップ」無効化
プリインストールされているWindows10とデュアルブート可能なかたちでLinuxをインストールする場合、「高速スタートアップ」オプションがじゃまになる可能性があるため、無効化しておく必要があります。
「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」→「システム設定」とすすみます。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック、「高速スタートアップを有効にする」のチェックをはずして、設定を保存します。

4. Setup Utilityで「Secure Boot」を無効化する
「Secure Boot」が有効になっていると、LinuxなどのOSを起動するさいに問題が発生するため、あらかじめ無効化しておきます。
コンピュータを再起動して、Dellのロード画面が表示されているあいだに「F2」キーを押し、Setup Utilityを起動します。
「Secure Boot Enable」項目をひらいて、「Disabled」を選択のうえ、設定を保存してSetup Utilityを終了します。

5. そのほかのSetup Utility設定「Fastboot」「CSM」「Virtualization」など
「Fastboot」検査をスキップしない設定にする。初期値のままでO.K.だった。
「CSM」項目が存在しない。存在する場合は有効化しておく必要があると思う。
「Virtualization」初期値で有効化されていたが、あえて無効化する必要もないので、そのままにした。Winsows10上で「VirtualBox」などの仮想化環境を使う場合は、有効化されていることを確認する。
「POST Behavior」→「Fn Lock Options」にて、「Fn lock」にチェックをいれて、「Lock Mode Disabled/Standard」を選択する。Windows10上で「Fn」+「Esc」押下でも設定変更可能。

6. ディスク領域を縮小して、Linuxをインストールするスペースを確保する。
「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」とすすみます。
記憶装置は「SSD 128GB」+「HDD 1TB」なので、Linuxをインストールする領域として、「HDD 1TB」上におよそ300GBを確保しました。
「HDD 1TB」は現時点でからっぽなので、いくらでもLinuxに割りあてられるのですが、Windows10を残してデュアルブート化する場合は、Windows10とLinuxでデータを共有するための領域をたくさんとっておいたほうがいいと思います。

7. Windows10で必要になるアプリケーションのインストール
7-1. 「Google Chrome」インストール
パソコン版Chrome」サイトよりインストールプログラムを入手、実行して「Google Chrome」をインストールします。


参考ウェブページ一覧表(順不同)

http://www.dell.com/support/home/jp/ja/jpdhs1/product-support/product/inspiron-14-7472-laptop/diagnose
http://www.dell.com/support/manuals/jp/ja/jpbsd1/inspiron-14-7472-laptop/inspiron-14-7472-servicemanual/inspiron-14-7000-サービスマニュアル
https://itsfoss.com/install-ubuntu-1404-dual-boot-mode-windows-8-81-uefi/
https://www.g104robo.com/entry/ubuntu-dualboot-win10-uefi
https://hnakamur.github.io/blog/2018/03/23/ubuntu-17.10-windows10-dual-boot/
posted by hatakazu at 23:38| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年06月22日

あたらしいラップトップを購入

hatakazuは自宅ではかなり古いラップトップを使っていて、まあべつにたいしたことをするわけじゃないので、そのまま問題なく使いつづけていたのですが、このところNVIDIA製GPU搭載仕様でないとできないこととやってみたくなっていました。
それは「Leela Zero」、Facebook「ELF OpenGO」、Tencent「PhoenixGo」、「AQ」といった深層学習を使った囲碁AIを動かすことです。
もちろんCPU環境でも動かせるものはあって、それでもhatakazuの棋力を考えればじゅうぶん強くて有用なのですが、やっぱりGPU版で遊んでみたいなと。
それはどちらかといえば囲碁の強さの問題ではなく、GPU搭載環境をうまく使いこなせるようにしておきたい、という方向の願望でもあります・・・。
そういうわけで、「いちおう持ち歩けるサイズのNVIDIA製GPU搭載ラップトップ、第八世代Intel製CPU、メモリ8GB〜、SSD256GB〜(もしくはSSD128GB + HDD)」という最低条件で、自宅のコンピュータ環境を更新することにしました。
いろいろ調べましたが、最終的に購入することにしたのは、以下の機種です。

Dell ノートパソコン Inspiron 14 7472 Core i7モデル ピンク 18Q42P/Windows10/14インチFHD/8GB/128GB SSD+1TB HDD

製品紹介:通常より1サイズ小さい本体外寸を実現した14インチモバイルノート
OS:Windows10 Home 64bit
Officeソフト:なし
画面サイズ:14インチ IPS フルHD光沢
重量:1.65kg
バッテリー駆動時間:約9時間
CPU:インテル Core i7-8550U (4Mキャッシュ、最大4.0GHz)
GPU:NVIDIA GeForce MX150 GDDR5 2GB
メモリー:8GB DDR4 2400MHz(最大16GB)
保存装置:128GB SSD + 1TB 5400rpm HDD
接続方法:USB2.0x1、USB3.0x2、HDMI1.4ax1、GbitLANx1
接続方法:SDカードリーダ、ヘッドホンジャック、Webカメラ・マイク、ノーブルロックポート
無線LAN:802.11ac デュアルバンド+ Bluetooth 4.1

今後これに「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」をインストールして「Windows10 Home 64bit」とのデュアルブート環境を構築し、それぞれのOS上のGPU環境で囲碁AIなどの囲碁ソフトを動かす方法を、すこしずつまとめていきたいと思っています。
posted by hatakazu at 21:36| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年06月03日

GRUBの設定

テキストエディタで「/etc/default/grub」ファイルを編集して、「$ sudo update-grub」で反映させる。
とりあえずOS選択画面をつねに表示させるために、「/etc/default/grub」の内容のうち二点を確認もしくは変更する。

1) 「GRUB_HIDDEN_TIMEOUT=0」をコメントアウトし、「# GRUB_HIDDEN_TIMEOUT=0」とする。
2) 「GRUB_HIDDEN_TIMEOUT_QUIET=true」の値を変更し、「GRUB_HIDDEN_TIMEOUT_QUIET=false」とする。

上記二点の変更により、起動時にOSおよび起動オプションを選択する画面が表示されるようになる。
デュアルブート環境の場合は、優先的に起動するOSを指定することができる。
「$ grep menuentry /boot/grub/grub.cfg」コマンドを実行し、優先起動したいOSの表記を見つけてきて、それを引用符号ごと「GRUB_DEFAULT='優先起動したいOS'」のように指定する。
「/etc/default/grub」の編集がおわったら、

$ sudo update-grub


コマンドを実行して、GRUB設定の変更を反映させる。
posted by hatakazu at 08:45| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年05月15日

「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」リリース

ようやく「Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix」がリリースされました。

Homepage | Ubuntu Japanese Team
Ubuntu 18.04 LTS 日本語 Remix リリース

「Ubuntu 16.04 LTS 日本語 Remix」にはじまって、ベータ版から「Ubuntu 18.04 LTS (Bionic Beaver)」へ移行、いまは「Ubuntu 18.04 LTS (Bionic Beaver)」正式リリース版が動いていました。
でもまあ、できれば「日本語 Remix」を使いたいですよね。
出張から帰ったら、さっそくインストールしてみるつもりです。
posted by hatakazu at 23:36| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年04月16日

Outlookの電子メールデータをThunderbirdへ移行する

WindowsのOutlookから電子メールデータをThunderbirdへ移行する場合、いちばんかんたんな方法は、Outlookからのインポート機能をそなえていた古いバージョンのThunderbirdを使うことです。
デフォルトのメールソフトとしてOutlookが登録されている状態で、Thunderbirdの「ツール」→「設定とデータのインポート」へすすみ、ここでデフォルトのメールソフトであるOutlookのメールボックスから電子メールデータをインポートすることができます。
インポートされたデータは、ローカルに作られる「Outlookインポート」フォルダにはいるので、あとは好きなように整理していくだけです。
インポートが終わったら、「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」を開いて、Thunderbirdを最新版にアップデートするのを忘れないこと。

上記手法が使えない環境の場合は、「Outlook Export Tool」を使ってOutlookメールを「eml形式 (.eml) 添付ファイルあり」で「サブフォルダも含めてエクスポート」したのち、Thunderbird「ImportExportTools」アドオンを使って「フォルダからすべてのemlファイルをインポート」するのがよさそうです。


参考ウェブページ一覧表(順不同)

https://support.mozilla.org/ja/kb/switching-thunderbird#w_outlook-ae-eudora-aoaoagacchcyckcn
http://www.yamamototakashi.com/soft/outlookexporttool/
https://addons.mozilla.org/ja/thunderbird/addon/importexporttools/
posted by hatakazu at 21:51| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

2018年04月15日

ThunderbirdでGoogleカレンダーと同期する

Thunderbirdのアドオンマネージャーを開き、「google」と入力して検索すると、「Provider for Google Calendar」というアドオンが発見されます。
これをインストールすると、Thunderbirdのカレンダー画面を開いて「新しいカレンダー」→「ネットワークのサーバーに保存する」とすすんだところで、「Googleカレンダー」を選択できるようになります。
あとはGmailのアドレスとパスワードを入力し、表示したいカレンダーにチェックをいれるだけで、Thunderbirdのカレンダー画面に表示されるようになります。
posted by hatakazu at 14:23| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする

ThunderbirdでExchangeサーバのカレンダーと同期する

Thunderbirdのアドオンマネージャーを開き、「exchange」と入力して検索すると、「TbSync (Provider for Exchange ActiveSync)」というアドオンが発見されます。
これをインストールすると、Thunderbird画面の右下に「TbSync」と表示されるので、それを右クリックして「Open TbSync account manager」をクリックします。
「TbSync account manager」画面が開くので、左下のほうにある「+」ボタンを押して、新規接続作成画面を開きます。
「Account name:」にてきとうな名前をつけ、「User name (email address):」と「Password:」欄に、いつも使っているユーザ名とパスワードを入力します。
hatakazuがアクセスするExchangeサーバでは、「Automatic configuration via ActiveSync Autodiscover」で自動設定することはできなかったので、「Custom configuration」を選びます。
「Server address」にExchangeサーバの名前「exchange.example.com」を入力し、「Use secure connection (connect via https)」にチェックをいれて、「Connect account」ボタンをクリックします。
Exchangeサーバとの交信がはじまり、同期が終了したら、「OK」ボタンを押して新規接続作成画面を閉じます。
「閉じる」ボタンを押して「TbSync account manager」画面を閉じ、Thunderbirdのカレンダー画面を開くと、Exchangeサーバに登録されているカレンダーとタスクが表示されているはずです。
双方向性のあるツールなので、Thunderbirdでカレンダーとタスクを表示するだけではなく、Thunderbirdがわから追加したり編集したりすることも可能です。
posted by hatakazu at 10:45| Comment(0) | Linuxとか | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。