ここまでずっと白番が勝って一進一退となっていましたが、今シリーズはじめて黒番の井山裕太棋聖が勝利をおさめ、通算成績を三勝一敗として防衛に王手をかけました。
張栩名人は先の名人戦七番勝負で一勝二敗と先行されて第四局をむかえるにあたって、「井山さんから三連勝は非常にむずかしいので、一勝三敗まで追いこまれたらチャンスはないと思っている。なので、この一局がほんとうに正念場になる」というような意味のことをいっていました。
じっさいにはその第四局を落として一勝三敗となり、そこから自分でも無理だと思っていた三連勝をあげて名人位を奪取したわけですが、この張栩名人の言葉は井山棋聖に七番勝負をいどむ挑戦者としては誰しも思うところでしょう。
その意味で追いこまれた山下敬吾九段ですが、もちろん、まだシリーズは終わっていません。
もうあとがないというところから、今後どのような戦いを見せるか、注目しています。