2018年10月11日

第43期名人戦七番勝負第四局

井山裕太名人に張栩九段が挑戦する第43期名人戦七番勝負、井山裕太名人が二連勝したあと張栩九段が一勝をかえしてむかえる第四局が、10月10日から11日にかけて打たれました。
張栩九段としては、第三局での一勝が井山裕太名人から五年ぶりにあげた白星ということもあって、精神的な部分でかなり自信をとりもどしての第四局だったはずです。
ここで勝てば二勝二敗となり七番勝負のゆくえは混沌としてきますが、負けて一勝三敗となれば名人位奪取のためには三連勝が必要となる、それがどれだけむずかしいことかだれよりもわかっている張栩九段にとっては、この第四局が今回シリーズ最大の正念場となるはずです。
白番の井山裕太名人が六手めで右上黒の星打ちに対するダイレクト三々入り、ここからの変化は白のほうがまとめにくそうで、黒番の張栩九段が序盤からペースをにぎったように見えました。
しかし、右上隅から上辺全体へひろがった折衝が一段落し、黒が左下隅へかかっていったあたりではすでに互角の形勢とのこと。
右下を中心として両翼へひろがった黒模様と、左辺一帯を勢力圏とした白模様、どちらが大きくひろがるのか見ていて楽しい局面だったと思います。
ここで右辺へ打ちこんでいった白番の井山裕太名人が、たくみに右辺の黒地を限定して黒石を切り離すとともに、中央にしっかりとした厚みを形成しました。
いっきに白模様の谷が深くなり、張栩九段としては深く打ちこんで全体を荒らして生きてしまおうという作戦をとらざるをえなくなりましたが、さすがに井山裕太名人がそれを許すことはありませんでした。
一勝三敗とおいこまれた張栩九段、苦しくなったのはたしかですが、それでももちろん最後の最後まで死力をつくして井山裕太名人にのぞむことはまちがいありません。
井山裕太名人としても、そうかんたんに六冠維持を許してくれるとは思えない相手から、どうやって最後の一勝をもぎとるか。
第五局は来週、たいした間隔もおかずに打たれることになっています。
それがどちらに味方するのか気になるところですが、張栩九段としてはもうやるしかないという状態なので、気持ちを切りかえて全力をつくしてほしいと思います
posted by hatakazu at 21:45| Comment(0) | 囲碁とか | 更新情報をチェックする
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