なかでも重要なのは、核施設の放棄にはじまる朝鮮半島の完全な非核化がうたわれていますが、いかにして「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」へいたるのか、その道筋です。
そして、日本としては長年の懸案である拉致問題があります。
表明されている日朝首脳会談への意欲も、拉致問題をカードとした交渉の一部とも考えられ、その意味でも慎重な対応が必要となるでしょう。
それにしても、ここ数ケ月で金正恩朝鮮労働党委員長はたくみに人間的魅力と能力をアピールし、世界の注目をあつめる交渉の主役としてふるまうにふさわしい力量の持ち主であることを証明してみせました。
どういう方向へすすんでいくのか余談は許しませんし、トランプ米大統領がいうように「すぐに席を立つ」ことになる可能性も残っているわけですが、なにかがおこることはまちがいありません。
そしてそのとき、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長という二人の主役が、なんらかのかたちで歴史に名を刻むことになると思われるのです。