・【自民党総裁選】党青年局・女性局主催 公開討論会(2021.9.20)
自民党というひとつの政党のなかでの指導者選びであり、候補者がそれぞれに他候補の主張の優位点を消すべく発言をすりあわせていくところもあるので、候補者間で主張の差異がきわだつというよりは、ぼんやりと収斂していくように見えるのはしかたがない。
そんななかでも基本的な国家観、この国の目指すところはどこなのか、それを自分の言葉でしっかり語っていたのは高市さんだけだった。
自民党の総裁を選ぶということは、これから日本を動かしていく国家のリーダーを選ぶということだ。
それぞれの候補者はまずこの国のあるべき姿を語り、そこへむけてなにをしていくのかを語り、それによって日本という国がどこへ向かうのか、その将来像を明確に提示するべきだろう。
そうした全体像のもとではじめて個別の政策のありかたや優先順位が決まってくるわけなので、それなしに一つひとつの論点についての見解を開陳されても、それを判断材料として候補者を評価するのはむずかしい。
家を建てるのに全体的な設計図がないまま、この窓があったほうがいいかないほうがいいか、台所はこっちがいいかあっちがいいか、と聞かれても答えようがないようなものだろう。
これから9月29日の投開票まで、候補者どうしの討論を含む露出はどんどん増えていく。
一度は大枠の国家観を戦わせて、それぞれの候補者に託したら日本の将来がどうなるのか、具体的なイメージを結ばせるような論戦を期待したい。